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2学会合同で2型糖尿病患者を対象にした インスリン使用患者ケアプロトコールを公表

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「特定行為に係る看護師の研修制度」議論から合同委員会設立

 2015年10月から開始された「特定行為に係る看護師の研修制度」では、38行為21区分が特定行為および特定行為区分に指定されています。そのなかで血糖コントロールに係る薬剤投与関連としてインスリンの投与量の調整があり、糖尿病看護に携わる看護師のなかにはすでに研修を修了し、医師の包括的指示(手順書)に沿って糖尿病患者さんの診療を行っている看護師がいます。

 特定行為の対象になると見込まれていた糖尿病看護の分野においては、日本糖尿病教育・看護学会、日本慢性看護学会でも議論が進められていました。そのなかで特定行為に関する議論とは別に、インスリン療法を受ける患者の支援ツールを共同で作成する提案がありました。両学会では2011年に糖尿病ケアプロトコール作成合同委員会を設置し、インスリン使用患者さんのなかでも患者数の多い2型糖尿病患者さんを対象にした「インスリン使用患者ケアプロトコール」を2015年12月に公表しました。

4つの問題状況に対して判断、対応が可能に

 本プロトコールの目的は、糖尿病患者さんがインスリン注射を生活のなかで安全に自己管理でき、QOLの維持・向上ができるように支援することです。2型糖尿病患者さんのインスリン療法中に起こりやすい問題状況に合わせて、ガイドラインに沿った判断、対応ができるようになっていることが特徴です。

  • 低血糖を現在、発症している
  • 過去1ヵ月の間に低血糖を起こしている
  • 高血糖(随時血糖400mg/dL以上の頻発)がある
  • 血糖値が徐々に悪化している

 以上の4点を起こりやすい問題状況として取り上げており、それぞれに対応する判断樹を作成。合同委員会のメンバーで話し合いを続け、両学会学術集会の交流集会の参加者、糖尿病の診療や療法指導などを行っている医師や認定看護師、日本糖尿病学会などの意見を踏まえて修正・追加などが行われました。

 本プロトコールは、糖尿病看護の経験のある看護師が医師の了解のもと、患者さんの支援を行う場合に使用するものですが、糖尿病看護に興味のある看護師、これから勉強したいと考えている看護師にとっても参考になるのではないでしょうか。

看護師が判断できる、医師に提案する事柄が明確に

 本プロトコールは、問題状況に対する目標が明確になっています。例えば「インスリン療法中の患者への低血糖症の対応」では、「低血糖が速やかに改善され、患者の不安が軽減する」ことを目標としています。この問題状況から「意識レベル低下がある」を「はい」「いいえ」に進んでいくと、それぞれ対応が示されており、「意識レベル低下がない」場合には「低血糖の対処としてブドウ糖の摂取」、「約15分後、低血糖症状が持続する場合には再度ブドウ糖を摂取させる」こと、さらに考慮すべき点も明記されています。「意識レベル低下がある」場合には、医師に報告するなどして対応します。さらに意識レベルが回復しない場合、低血糖が持続している場合にどう対処すべきかや、アセスメントのポイントも提示されています。これにより、経過観察に至るまで統一した基準のもとで医師と連携をはかりながらケアを行うことができます

 糖尿病患者が増加するなかで、合併症を抱える方や高齢の方など、患者さんの背景も複雑化しており、ケアを行う看護師の対応がますます重要になっていきます。こうしたなかで、看護師の経験頼みではなく、明らかな指針となるプロトコールの公表は、患者さんに安全な医療、看護の提供に繋がるのではないでしょうか。

本プロトコールは下記で公表されています。
一般社団法人日本糖尿病教育・看護学会 http://jaden1996.com
日本慢性看護学会 http://jscicn.com/index.html

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