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看護あるある手技Q&A インシデントレポートの詳細記述欄の書き方

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インシデントレポートの詳細記述欄を書くときのポイントはありますか?

発生時の状況、発生後の対応、発生の要因、防止策の4点を意識的に盛り込みましょう。

リコ:以前、インシデントレポートの書き方・生かし方について勉強した際、インシデントレポートは「反省文」ではなく、再発防止のための資料として記録することが大切だと学びました。
それを踏まえて、どうすれば再発防止のための資料になるのか、具体的な書き方が知りたいです。

ヨシミ:インシデントの内容などを文章で説明する詳細記述欄の出来がカギを握っていると思うわ。
後から読み返したとき、状況が明確にわかるような記述をするためのコツを教えるわね。

インシデントレポートに必ず盛り込むべき情報はコレ!

インシデントレポートは、各施設でフォーマットが定められているはず。
その様式はさまざまだけれど、次のような項目が含まれていることが多いわね。

・インシデントの発生日時

・インシデントの発生場所

・インシデントの内容
(薬物、処置、検査、抜去、転倒・転落、接遇などのチェック項目+詳細記述欄)

・生命危険度
(例:ない/低い/高い/極めて高い)

・患者信頼度
(例:損なわない/あまり損なわない/少し損なう/大きく損なう)

詳細記述欄を書くときに大切なことは、だらだらと文章を綴るのではなく、
(1)発生時の状況
(2)発生後の対応
(3)発生の要因
(4)防止策
が盛り込まれるように意識すること。

見たまま・聞いたまま(事実)の記載を基本とし、書き手の推測とごちゃまぜにならないよう注意してね。

以前にも説明した通り、後から誰が読んでもわかりやすい文章を書くためには、5W1Hの要素を欠かさないことが重要よ。
今回はもう少し踏み込んで、それぞれのポイントを教えるわね。

・When(いつ):
〇時〇分など発生時刻を明確に(24時間表記が基本)。
「胸部撮影のためレントゲン室に移動した際」など、状況説明も併記する。

・Where(どこで):
「病室で」よりも「病室のベッド脇(窓側)で」のように、できるだけ詳しく書く。
物の位置関係や関係者がそのときいた場所など、簡単な図を用いてもいい。

・Who(誰が):
文頭に主語を置き、誰の行動・思考なのか明確にする。

・Why(なぜ):
行動の原因や理由がわかるよう、自分や患者の意図を記載する。

・What(何を):
行動の内容や身体の部位、物の名称などを具体的に記載する。

・How(どのように):
表情、色味、音、温度など、その場にいないとわからない情報を書き添える。

再発防止に役立つインシデントレポートの書き方

それでは、実際にどのような書き方が望ましいのか、例を挙げてみるわね。
まずは、インシデント発生時の状況を説明した次の文章を読んでみて。

Bad!
朝、入浴介助をしていたら、湯加減を確認するのを忘れてしまい、「熱い!」と言ったので足を確認したところ、発赤が見られたのですぐに冷やし、医師に報告した。

だらだらと一文が長く読みづらいうえ、時間や場所など必要な情報が不足している印象を受けないかしら?
このレポートを他の人が読んでも、「結局、何がどうなったの?」と言われてしまいそうね。
これを添削したものが、次の文章よ。

Good!
10:15、歩行と立ち上がりに補助の必要なAさんの入浴介助を実施。Aさんが浴槽に入った際、「熱い!」と大きな声を出したので、すぐに湯から出てもらった。報告者(看護師)がAさんの身体を確認したところ、両肢と殿部に発赤を認めたため、すぐに水をかけて冷やした。このとき、バイタルサインに異常なし。B医師に報告し、皮膚科を受診したところ、I度の熱傷であることがわかった。Aさんが触れた湯温は約50℃で、報告者が事前に湯加減を確認することを怠っていた。

このような文章でインシデントの内容を説明できれば、「温度設定はどのように行っていた?」「温度計は使っていた?」「入浴マニュアルはある?」といった様々な視点から考察を行い、発生の要因を分析したり予防策を講じたりすることにもつなげることができるはずよ。


再発防止に生かすためには、まずはインシデント発生時の状況を具体的に伝えることが大切だとわかりました。

どうしても文章を書くのが苦手なら、先輩や同僚のレポートを「お手本」にするといいと思うわ。
もちろん、インシデントレポートを書かなくて済むような仕事をするに越したことはないけどね。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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