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ナースが知りたい!くすりの知識 過剰増殖した好酸球を直接除去する喘息治療薬 ベンラリズマブ(商品名ファセンラ)

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喘息治療薬といえば吸入薬をイメージしますが、皮下注射するタイプの治療薬もあるそうですね。

中でも2018年4月に発売されたファセンラ(一般名ベンラリズマブ)は、重症喘息治療のキーとなる好酸球に直接的に働きかけ、除去することができる注射薬として注目を集めているわ。

重症喘息の原因「好酸球」を直接的かつ速やかに除去!

ベンラリズマブ(ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤)は、高用量の吸入ステロイド薬と他の長期管理薬を併用しているケースや、喘息症状のコントロールが難しいケースなど、重症喘息の患者さんに使われる薬剤よ。
特に血中好酸球数が多い患者さんに対して効果的だとされていて、そのわけは重症喘息の原因の半数以上が「好酸球性喘息」だからなの。

何らかの理由で過剰に分泌された好酸球は、IL-5というサイトカインに結合して活性化するわ。
活性化した好酸球は、細胞を障害する顆粒タンパク質を放出して、炎症を引き起こしたり気道上皮を傷つけたりするのよ。
さらに、障害された気道上皮細胞が何度も修復されるうちに気道の壁が分厚くなり、空気が通りにくくなるばかりか、タバコなどの刺激にもより過敏な状態になってしまうの。
つまり、好酸球性重症喘息の患者さんが喘息をコントロールするためには、いかに好酸球を減らすかが大切になってくるのね。

ベンラリズマブは、IL-5受容体αサブユニットに結合することで、IL-5が好酸球に結合することを阻害する作用を発揮するわ。
さらに、ADCC活性(抗体依存性細胞傷害活性)によりNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を引き寄せ、血中好酸球を完全に除去することが期待できるの。
もちろん、喀痰や気道に存在する好酸球も除去することができるわ。

効能・効果

気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)

ベンラリズマブの投与で好酸球が除去されると、年間の喘息増悪が約8割、経口ステロイド薬の1日服用量が約7割、喘息に伴う年間の緊急受診や入院が約9割も減少するという報告があるそうよ。

用法・用量

通常、成人にはベンラリズマブ(遺伝子組換え)として1回30mgを、初回、4週後、8週後に皮下に注射し、以降、8週間隔で皮下に注射する。

ベンラリズマブの投与は、上腕部のほか大腿部や腹部などの皮下注射で行われるわ。
最初の3回は約1ヵ月に1度、4回目以降は約2ヵ月に1度の投与でいいから、同じく喘息治療薬(注射薬)であるメポリズマブ(商品名ヌーカラ)やオマリズマブ(商品名ゾレア)に比べて投与間隔が長いのも魅力の一つね。

使用上の注意、副作用

副作用として、注射部位反応(注射した部位が赤く腫れたり、かゆみを生じたりする)がみられることがあるわ。
また、頭痛や発熱、咽頭炎、じんましんなどの過敏症反応などが現れるケースも確認されているから、投与後には十分に注意して観察してね。

なお、ベンラリズマブの投与をスタートしても、これまで使用していた吸入ステロイド薬を急に中止してはいけないの。
吸入ステロイド薬の減量は医師の指導の下で慎重に行う必要があるから、「症状がよくなってきた!」と思っても自己判断で服薬を中止することのないよう患者さんに注意喚起してね。


喘息の症状が大きく改善すれば、気軽に外出したりスポーツを楽しんだりできるようになり、QOLのアップにもつながりますね!

重症喘息の患者さんにとって、大きな希望になりうる治療薬だというわけね。

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参考文献
ファセンラ 添付文書.
※効能・効果・使用上の注意等、医薬品の最新情報につきましては、各製品の添付文書等をご参照ください。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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