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ナースが知りたい!くすりの知識 1回投与で治療完結の新規インフルエンザ治療薬 バロキサビル マルボキシル(商品名ゾフルーザ)

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ナースフル編集部より
4/11 19:00に配信させていただいたメールマガジンにおいて、商品名の記載が誤っておりました。正しい表記は「ゾフルーザ」となります。申し訳ございませんでした。


私は幸いにもインフルエンザに罹患したことはありませんが、ワクチンを接種すれば必ず予防できるというものでもないだけに、毎年の流行シーズンは戦々恐々です。

インフルエンザ罹患後の治療薬に関しても、ここ数年で有力な新薬が複数誕生したことを知っているかしら?
今回は、最も新しいインフルエンザ治療薬(製造販売承認:2018年2月23日、薬価収載2018年3月14日)であるバロキサビル マルボキシル(商品名ゾフルーザ)を紹介するわ。

「先駆け審査指定制度」が適用された期待の新薬

従来のインフルエンザ治療薬の機序は、A型またはB型インフルエンザウイルスの表面にあるノイラミニダーゼという酵素の作用を選択的に阻害することで、ウイルスの拡散を防ぐというものだったの(ノイラミニダーゼ阻害薬)。
経口製剤のオセルタミビル(商品名タミフル)、吸入製剤のザナミビル(商品名リレンザ)、注射製剤のペラミビル(商品名ラピアクタ)などのことね。

2014年には、インフルエンザウイルスが増殖に必要とするRNAポリメラーゼという酵素の作用を選択的に阻害するファビピラビル(商品名アビガン)が承認されたわ。
ただし、新型または再興型インフルエンザに対して他のインフルエンザ治療薬が無効または効果不十分な場合に限っての適用で、しかもパンデミック発生などの緊急事態に備えて使用が温存されているの。

今回のバロキサビル マルボキシルは、インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼという酵素の活性を選択的に阻害し、ウイルスのmRNA合成を妨げることで増殖を抑制するという、従来なかった機序の薬剤なのよ。

ちょっと難しいかもしれないけれど、とにかくインフルエンザウイルスに対する新しい「武器」が手に入ったと思ってくれればいいわ。
しかも、オセルタミビルと比べて抗ウイルス効果が高いことが確認されているし、既存薬とは作用機序が異なるのでノイラミニダーゼ阻害薬に耐性を持ったウイルスにも効果が期待できるの。

こうしたことから、審査期間を短縮して早期実用化を図る「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定され、実際に製造販売承認申請からわずか約4ヵ月でスピード承認されたのよ。

効能・効果

A型またはB型インフルエンザウイルス感染症

用法・用量

1.通常、成人および12歳以上の小児には、20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)を単回経口投与する。
ただし、体重80kg以上の患者には20mg錠4錠(バロキサビル マルボキシルとして80mg)を単回経口投与する。

2.通常、12歳未満の小児には、以下の用量を単回経口投与する。

体重 用量
40kg以上 20mg錠2錠(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
20kg以上40kg未満 20mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして20mg)
10kg以上20kg未満 10mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして10mg)

この薬剤を臨床使用するうえで画期的なのは、1回の投与で治療が完結するところよ。
1回服用すればいいだけだから、患者さんも飲み忘れることがないし、医療従事者としても飲み忘れを防ぐための患者指導が省けるわね。

使用上の注意、副作用

使用上の注意としては、因果関係は不明ながらインフルエンザ治療薬の投与後に精神・神経症状が現れ、異常行動を起こした事例が報告されているから、本剤使用においても留意しておく必要があるわ。
特に小児や未成年者については、投与後少なくとも2日間は、患者さんを一人にしないよう周囲の人(保護者など)に気をつけてもらいましょう。

副作用としては、下痢(1%以上)、頭痛(1%未満)、ALT/AST値の上昇(1%未満)が報告されているわ。


服用方法が簡単で、しかも高い効果が見込めるなら、これほどありがたいことはありませんね。

インフルエンザ予防の重要性は変わらないけれど、流行シーズンを乗り切るうえで心強い新薬が出てきたわね。

参考文献
1)ゾフルーザ錠 添付文書.
2)ゾフルーザ錠 インタビューフォーム.
※効能・効果・使用上の注意等、医薬品の最新情報につきましては、各製品の添付文書等をご参照ください。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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