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がん患者の口腔ケア|看護あるある手技Q&A

仕事に役立つ看護手技 > 疾患・部位別の看護 編

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がんで化学療法や放射線療法を受ける患者さんについて、口腔ケアで特に注意すべきポイントはありますか?

低刺激、保湿、観察という3つのポイントを踏まえて、口内炎の予防・早期発見に努めましょう。

リコ:がんで化学療法や放射線治療を受ける患者さんでは、そうでない患者さんに比べて口腔内の状態も変わってくるそうですね。口腔ケアをするとき、どんなことに気をつければいいでしょうか?

ヨシミ:治療に伴って口内炎が生じやすくなるから、そのリスクを抑える必要があるわね。低刺激、保湿、観察という3つのポイントを踏まえた口腔ケアを実践できるようになりましょう。

口内炎が生じやすいタイミングは?

抗がん剤は、がん細胞以外の正常な細胞も傷つけてしまうわよね。特に代謝の速い細胞が影響を受けやすいけれど、口腔内の細胞もその1つなのよ。結果として口内炎や虫歯などが生じて痛み、食事や歯磨きがつらくなるばかりか、がんと闘う気持ちをくじいてしまうことにもなりかねないわ。
だからこそ、痛みをできるだけ緩和して、食事や歯磨きを続けられるよう工夫することが、がん患者さんの口腔ケアのポイントになるのよ。

口内炎は、抗がん剤治療を受けている患者さんの4割程度で生じると考えられているの。出現のタイミングとしては、治療開始後3~7日頃、あるいは白血球数が低下した10日~2週間前後頃が多いわ。
特に、分解物が口腔粘膜に染み出して粘膜にストレスを与えやすいタイプの抗がん剤を使用する場合は、治療開始後3~7日頃の観察や予防を念入りにね!
口腔内に傷があるとそこから感染して口内炎が生じてしまうから、歯磨きには柔らかく刺激の少ない歯ブラシを使いましょう。デンタルフロスを使うときは、歯肉を傷つけて出血することがないよう愛護的なケアを心がけてね。

口内炎ができてしまったら、早期対処(軟膏薬の使用など)が重要よ。口内炎が治りきらずに白血球数が低下すると、さらに感染を起こして症状が悪化してしまうこともあるわ。
ぬるま湯に浸したガーゼで口内炎の患部を保護しながら歯磨きしたり、スポンジブラシに保湿剤を塗って口腔内を優しくぬぐったりという方法もあるから、状態に応じて刺激の少ない手段で口腔内を清潔に保ちましょう。

唾液の減少による虫歯にも注意!

虫歯にも注意が必要よ。放射線治療などにより唾液を出す細胞が障害されると、唾液の分泌量が減ってしまうの。すると、口腔内が乾燥して虫歯のリスクが高まるわ。抗がん剤治療でも、口腔機能が低下することで口腔内の乾燥を招くため、細菌や汚れが増加しがちだわ。
歯垢1mg中には1億個もの細菌がいるといわれているけれど、口腔ケアが不十分になると、この細菌数が10倍以上に増えてしまうこともあるのよ。

虫歯の好発部位は上の前歯の裏側と上下の奥歯だから、そこは特に念入りに磨きましょう。フッ素入りの歯磨き粉を使うのも工夫の一つね。
また、食事を摂っていない場合や歯磨きが困難な場合であっても、口腔ケアを行うことが望ましいわ。せめて口をゆすぐことだけはしておきたいわね。
嚥下機能が低下している患者さんや臥床がちの患者さんであっても、ガーゼで口腔内をぬぐうことはできるわよね。
また、こまめに水分を摂ってもらったり、口腔ケア後に保湿ジェルを塗ったりして、乾燥を防ぐことも心がけましょう。

そのほか、患者さんに自身の口腔内を習慣的にチェックしてもらうことで、異常の早期発見につながるわ。観察のポイントを説明したうえで、簡単に記入できるチェックシートを渡してもいいわね。記録を残しながら、継続的な観察への意識を保つことができるわ。看護師が観察する場合でも、継続的に評価するうえでチェックシートの活用は有効よ。


がん治療に伴う苦痛に配慮しながら、口腔ケアは口腔ケアでしっかりとやっていく必要があるんですね。

そうね。口腔の状態が悪化して栄養が摂れなくなり、闘病にも差し障る・・・という悪循環に陥らないため、口腔ケアの重要性を再確認しておきましょう。

監修:医療法人社団航洋会 目黒通りハートクリニック 理事長/院長 安田洋先生

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