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いま流行している感染症と、新たに注目される感染症の特徴

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海外渡航者増加に伴い輸入感染症のリスクが高まっている

近年、海外渡航者の増加に伴い、輸入感染症(すべて、あるいは主に海外で感染し、国内に持ち込まれる感染症)のリスクが高まっています。2014年3月以降、西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネなどで流行しているエボラ出血熱や、2012年に初めて確認され、中東地域で患者が報告されている中東呼吸器症候群(MERS)といった新たなウイルスによる感染症などもあり、医療従事者にとっては、自らの感染予防、患者間の感染を防ぐための対策が重要となります。近年、とくに話題となっている感染症について、その基本的な情報を押さえましょう。

●エボラ出血熱:エボラウイルスに感染した人や動物の血液、体液への接触によって感染し、2〜21日の潜伏期を経て、発熱、頭痛、筋肉痛などの症状を引き起こします。その後、嘔吐、下痢、内臓機能の低下、出血傾向などがみられ、ウイルス自体は石鹸や次亜塩素酸ナトリウム、太陽光などで失活するほどの弱いものですが、ひとたび感染を起こすと、ザイール型で約90%、スーダン型で約50%と致死率が高いことが特徴です。

●中東呼吸器症候群(MERS):
主に中東地域で患者が報告されているMERSコロナウイルスによる感染症で、発熱や咳を伴う急性呼吸器症状があり、肺病変がみられます。可能性のひとつとして、ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物のひとつとされていますが、人にどのように感染するのかは、正確にはわかっていません。その一方で、海外では医療機関における患者間や患者から医療従事者への二次感染の報告もあるため、治療・ケアにあたっては標準予防策、飛沫感染予防策などを遵守する必要があります。

この2つの感染症については、ワクチンや治療薬はなく、治療は対症療法です。

海外渡航歴のない人が発症したデング熱や重症熱性血小板減少症候群

エボラ出血熱やMERSは、現在のところ国内での感染例はありませんが、2014年8月、69年ぶりに海外渡航歴のない人にデング熱の感染者が報告されました。また、2013年1月には、渡航歴のない人の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)罹患のニュースもありました。

●デング熱:
熱帯や亜熱帯の全域で流行がみられるデング熱は、主にネッタイシマカ(国内ではヒトスジシマカ)を媒介とする感染症です。蚊に刺されてから3〜7日に突然の高熱、頭痛、眼痛、顔面紅潮、結膜充血などが起こり、発症後3〜4日に発疹が出て、1週間ほどで快復します。予後は比較的よいとされますが、(1)重症の血漿漏出(ショック、呼吸不全など)、(2)重症の出血症状(消化管出血、性器出血など)、(3)重症の臓器障害(肝臓、中枢神経系、心臓など)のうちひとつでも症状が認められた場合には、重症型デング(デング出血熱)と診断されます。重症化する要因としては、デングウイルスの4つの血清型のうち、異なるウイルスへの二度目の感染によるという説、ウイルス自体の病原性の強さによる説などがあります。
人から人への感染はないため、蚊に刺されないように衣服に気をつけ、忌避剤を使用するなどの予防対策を行うことが重要です。

●重症熱性血小板減少症候群(SFTS):
SFTSウイルスは2011年に中国で初めて特定された新しいウイルスで、多くはウイルスを持つマダニに咬まれることで感染します。6日〜2週間程度の潜伏期間後、発熱、食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が起こります。治療は対症療法となります。
熱や酸に弱く、アルコール消毒剤や台所用洗剤や紫外線照射などで死滅する弱いウイルスです。飛沫感染や空気感染はありませんが、海外では患者血液との接触が原因とされる感染報告もあるため、標準予防策に加え、接触予防策での対応が必要です。

感染症の最新情報を入手して必要な予防策を

数多くある感染症のなかで人類が根絶したのは天然痘だけとされています。これまでにも特定の感染症の世界的大流行(パンデミック)は繰り返し起こり、結核やマラリアなど、薬剤に対する抵抗性を持って再び感染者を増やしている感染症や、重症急性呼吸器症候群(SARS)や新型インフルエンザといった新たな感染症も出現しています。根絶は非常に困難であり、だからこそ徹底した感染経路遮断による予防が重要となります。

医療従事者は、さまざまな感染症患者さんと接する機会が多く、ケアの実施中に曝露するリスクもあります。また、人から人に感染するリスクのある感染症については、自らが感染源となる恐れもあります。感染予防、経路遮断対策について、勤務先での対応について施設のマニュアルを今一度確認しましょう。

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