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現場インタビュー 私の転機「特定看護師」に聞く(前編)

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2015年、チーム医療や在宅医療等の推進を図ることを目的に法制化された「特定行為に係る看護師の研修制度」。
試行事業から研修に参加し、現在臨床で創傷管理領域の特定行為を実施している日本医科大学千葉北総病院の渡辺光子さんに、研修を受けたきっかけや現在の活動について、2回にわたってお話を伺います。

最も重要なのは知識と技術を身につけ
特定の医行為が実施可能かどうかを判断すること


日本医科大学千葉北総病院
創傷管理領域特定看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師 渡辺光子さん

「患者さんに必要とされる」ケアを習得するため認定看護師の道へ

――創傷管理領域のスペシャリストになろうと思ったきっかけを教えてください。
私は1985年に日本医科大学付属病院に入職し、小児科病棟を1年半経験して以降、外科病棟に勤務していました。
1994年に当院(日本医科大学千葉北総病院)が開院して異動してからも、外科病棟で経験を積みました。当院が開設されて以降、私は長くストーマ患者さんのケアに携わり、患者会のサポートも行っていました。
患者会の活動のなかで、患者さんとともに当時、ストーマケアのスペシャリストだったETナースの話を聞く機会がありました。
そこで患者会の中心的な役割を担っていたある患者さんに
「北総病院にもETナースがいてくれたらいいのに。渡辺さん、ETナースになってよ」
と言われたのです。

私は自分なりに、できる限りストーマケアや患者会のサポートをしてきたつもりでした。
しかし、患者さんがETナースの存在を望んでいることを知り、
「私が実践してきたケアではまだ足りないのかな」
と思い始めました。
間もなく、日本看護協会が認定看護師制度を開始し、皮膚・排泄ケア分野が誕生しました。
当時の看護師長からも
「渡辺さん、行ってみたら?」
と勧めていただき、
「患者さんからも必要とされているなら」
と教育課程への進学を決めました

――認定看護師の教育課程に進んだときの思いを教えてください。
その当時は30歳を過ぎ、看護師としての経験も積んで安定した時期でしたが、逆に新しいことにチャレンジする機会は少なくなっていました。
また、病棟の立ち上げから主任として管理業務にも追われて多忙な日々を過ごしていたため、教育課程では自分の勉強のために多くの時間を使えることを嬉しく思いました。

資格取得後、ストーマ患者さんの指導やケアに特化したストーマ外来を始めました。
その後、褥瘡対策チームの立ち上げや褥瘡管理者としての活動も始まり、今に至っています。

特定の医行為が可能となることで褥瘡の治癒過程を早く進められる

――すでにスペシャリストとして活動をしてきたなかで、特定行為の研修を受けようと思ったきっかけや理由は何でしょうか。
褥瘡対策チームでは、皮膚科医や形成外科医、その他のスタッフで回診を行っています。
その際に必要であれば医師が褥瘡の壊死組織のデブリードマンを行いますが、緊急時を除いてはその週1回の回診に限定されます。
そのため、例えば回診の翌日に褥瘡のある患者さんが入院してきた場合は、次の回診までタイムラグが生じてしまいます。
在院日数の短縮化が進むなかで、
「週1回の回診時ではデブリードマンが追いつかない」
と感じることも少なくありませんでした。
もっとタイムリーに、必要に応じて適切な処置を行うことで褥瘡の治癒過程を進められるのではないかと思ったのです。

また、ストーマ患者さんの場合、術後の傷の処置を行う時期に、平行してストーマのセルフケア指導をします。
その際、例えばストーマと傷が非常に近い場合は、ケアの指導と同時に処置を行わなければならないことがあります。
その場合、患者さんには医師のスケジュールに合わせてもらわなければならず、患者さんだけでなく、同席する家族にも負担がかかっていました。
そのなかで、
「看護師が、患者さんに負担の少ない範囲で傷の処置やストーマの抜糸を一緒に行うことができれば、より患者さんのペースに合わせてケアが進められるのではないか」
と考えるようになりました。
たしかに皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を持っていることで、できることはたくさんあります。
しかし、看護師が安全に実施できる医療行為の幅がさらに広がれば、褥瘡であれば治癒過程を早く進められますし、ストーマケアにおいても、患者さんのペースを大事にできるのではないかと思ったのです。

――特定行為の研修ではどのようなことを学ぶのでしょうか。
特定行為の研修修了者には、組織の状況に合わせて作成した手順書に基づいて医行為を行うことが認められます。
しかし、褥瘡の処置として認められるデブリードマンでは壊死組織を除去するため、患者さんに侵襲が加わりますし、出血のリスクもあります。
デブリードマンを安全に施行するためには、傷だけをみるのではなく、処置を受ける患者さんの全身状態や病態を理解し、行為自体を実施してよいかどうかが判断できなければなりません。
最も大事なのは、特定看護師がその医行為に責任を持ち、実施すべきかどうかの判断をするための知識と、安全に施行できる技術を習得することです。
そのため、研修ではさまざまな疾患をもう一度学び直し、フィジカルアセスメント力を高める講義や演習に多くの時間が割かれます。
また、全身状態の診断に必要な臨床推論など、多くのことを学びます。
(次回に続く)

渡辺光子さん
日本医科大学千葉北総病院
1985年看護師資格取得後、日本医科大学付属病院に入職。1994年日本医科大学千葉北総病院へ異動。1997年、日本看護協会看護研修学校皮膚・排泄ケア学科に入学し、1998年皮膚・排泄ケア認定看護師資格を取得。2012年3月、日本看護協会看護研修学校特定看護師(仮称)養成施行課程を修了。同年12月に厚生労働省「看護師特定行為・業務施行事業」に参加。2016年、特定行為研修の修了式を終え、現在、同院で活躍中。

◆看護師の働き方が変わるかもしれない注目の制度!
 「特定看護師」の業務範囲や特定行為研修について
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◆特定看護師の役割とその仕事とは?
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